剣道の昇段審査って何やるの?

先日、寄居中学校で剣道の昇段審査を受けてきました。
せっかくですので、どのような審査を行っているか、紹介したいと思います。


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今回は初段、2段、3段の審査が同時に行われました。
審査内容は3つ。
1.実技
2.形
3.学科
となっています。


実技は初段と2段が「切り返し1本+互角稽古2本」、3段は「互角稽古2本」です。
これは試合とは違い、勝ち負けを見るものではありません。
特に段の低いうちは「基本どおりに大きく堂々と動けているか」を見るようです。
勝っても落ちる人がいる一方、負けても合格する人もいます。


やってみるとわかりますが、やはり緊張でいつのも半分も技が出ません。
みんな、バカの一つ覚えのように合い面ばっかりです。
ほとんどの人が面8割で籠手2割の打ち分けで、胴を打っている人はほとんどいません。
わかっちゃいるけど、いざ自分もその場に立つと同じになっていました・・・
やはりいざとなると身についた技しか出ないものです。
平常心、冷静沈着、落ち着いて、なんて言葉は吹っ飛んでいました。
反省。


形は日本剣道形を初段は3本目まで、2段は5本目まで、3段は7本目までを行います。
2人一組になり、打ち太刀か仕太刀のどちらかを務めます。
当日初めて会う人と合わせる事になるので、なかなか呼吸を合わせるのが難しいです。


学科は事前に問題と解答用紙が配られており、それに記入して当日提出です。
今回の初段の問題は
・剣道で「礼儀を大切にする理由」について述べなさい。
・剣道における「かけ声」について述べなさい。
・「残心」について述べなさい。
の3つ。
本やネットで調べればすぐ書けますが、それは他の人も同じ。
丸写しすると他の人とそっくり同じ答えになりますので、ある程度は自分の言葉で書かないとダメです。


以上をこなせばあとは合格発表を待つばかり。


今回の受験者は初段53名(男子32名女子21名)、2段33名(男子23名女子10名)、3段34名(男子16名女子18名)で、合計120名。
合格者は初段42名(男子25名(78.1%)女子17名(81.0%))、2段25名(男子17名(73.9%)女子8名(80.0%))、3段19名(男子10名(62.5%) 女子9名(50.0%))でした。
欠席者が居るので、合格率はもう少し高目になります。
初段は9割近いはず。
合格率は県と時代によって違うらしく、初段で合格率が5割程度だったこともあるとか。


そして最後に審査員の先生の講評。
1.他の審査会に比べて今回はみんな気合が入っていた。とてもよろしい。
2.にもかかわらず、いまいち迫力が無い。普段の稽古でもっと気迫を出せ。
3.切り返しは大きく、体全体で行え。小手先だけで振り回している人が多い。
4.連続技があまり見られなかった。良いところを見せようと一本狙いになるのはわかるが、連続技も組み込め。
5.形は正確に。形は教えるほうは正確に教え、教わるほうは正確に憶えろ。正しく教わっていないような人が結構居る。


やはり中高校生あたりはどんどん体が強くなってくるので、パワーでガンガン押す剣道になりがちなんだそうです。
剣道はどんなに強い一撃でも、審判の旗が揚がらなければ一本にはなりません。
無駄な力を使わずに、必要最小限の力で、いかに滑らかに素早く打つかを心がけないといけないですね。

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